改正のポイント・一部抜粋
1)短期消滅時効の廃止
改正案
権利を行使出来るときから10年間、又は債権者が権利を行使出来ることを知った日から5年間のいずれか到来が早い日をもって時効が成立する。
現行法においては、「飲み屋のツケ」⇒1年、「弁護士の報酬」⇒2年、「建設工事・設計代金」⇒3年等となっているのが、改正民法において煩雑さが解消され統一される。
民法が全面的且つ抜本的に
改正されることが決まりました。
2017年5月26日、国会で民法改正議案が可決されたことにより、2020年1月1日か4月1日付けにて施行となる見込み。
1898年(明治31年)の民法施行以来、約120年ぶりの広範囲且つ抜本的な改正となる。
消滅時効に関する期間の統一、瑕疵担保責任の概念を契約不適合に改正、法定金利の改正等々、判例及び経済の実情等を踏まえて大幅な見直しがなされる。
以下に、その一部を紹介します。
改正案
権利を行使出来るときから10年間、又は債権者が権利を行使出来ることを知った日から5年間のいずれか到来が早い日をもって時効が成立する。
現行法においては、「飲み屋のツケ」⇒1年、「弁護士の報酬」⇒2年、「建設工事・設計代金」⇒3年等となっているのが、改正民法において煩雑さが解消され統一される。
改正案
引渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
2.前項の不適合が、買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は同項の規定による履行の追完を請求することができない。
買主が契約不適合を知ったときから1年以内にその旨を売主に通知しなければならない。但し引渡し時に売主が目的物に契約不適合があることを知っていたとき、又は知らないことにつき重大な過失があったときは、この限りではない。
「瑕疵担保責任」を「契約不適合」という概念に改正。改正案
利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は3%とする。
但し、当該法定利率は3年ごとに見直すこととする。
現行法では、法定利率は民法において5%、商法(514条)において6%と定められていたが、民法は上記どおり改定され、商法における条文は削除となり、当面3%の法定金利で統一されることとなる。
改正案
保証人が法人である場合を除き(つまり個人が保証人となる場合)、事業の為に借入れる債務を主たる債務とする保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前1ヶ月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が債務保証を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。
会社が銀行等から事業資金を借入れるにあたり、代表取締役以外の個人が連帯保証人となる場合は、公正証書にて保証人としての意思を確認することが必要となる。改正案
契約の成立には、法令に特別な定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
私法上の大原則として、「契約自由の原則」があり、その内容として、①締結の自由、②相手方選択の自由、③方式の自由、④内容の自由があります。改正案
定型約款において、一方的に消費者に不利な条項は無効とする。
改正案
売買の契約締結後で、引渡し前に物件が債務者(売主)の責に帰さない理由で滅失または損傷した場合の危険負担は債権者(買主)に帰する”と定めた第534条及び第535条を削除する。
買主=引渡しを受ける権利があるという意味で“債権者”という。改正案
売買の契約締結後で、引渡し前に物件が債務者(売主)の責に帰さない理由で滅失または損傷した場合の危険負担は債権者(買主)に帰する”と定めた第534条及び第535条を削除する。
退去時に原則として全額借主に返還することとする。